次の日、


あたしは愛を連れて守の車に乗った。


寝付いた愛を確認して、守は静かに話し始めた。




守もあたしと出会った時にはまだ結婚していた事。


そしてその後離婚した事。


今まで再婚した親達と暮らし義理の父と仕事をていた事……



そして仕事で揉めて
家を出て来た事……。



今日は荷物をまとめて
友達の所にもう運んで来た事………




そして…
「流奈と愛と一緒になろうと思ってる」




そう最後に話して来た。



あたしはずっと無言のままだった。



頭の中が混乱して
どれ位時間が経っていたのか分からなかった。




ただ、



あたしの腕の中で気持ち良さそうに眠る愛をただ見つめていた。




「不安か…………」


そう守が言った一言に、力強く頷いた。



「なにが不安?」



言葉では表せようもない気持ちながらに、



「愛の事…………」



気が付いたらそう言っていた。



「愛のパパになる、必ず幸せにするから」



また沈黙が走る車の中で


守は車を走らせた。




「家を探しに行こう」


「うん」


「お父さん達に挨拶に行くから」



「うん」



そう言うと守は愛の頭を撫でた。




複雑な気持ちながらにも、確信していた事は1つだけだった。



守とあたしの間には



愛がないって事…………