この時から全てあたし達は始まったんだ。


それから、何度か守と会うようになった。


バイト先にもたまに迎えに来てくれたりして
家まで送ってくれたりした。



ただ、守の家とあたしの住んでる所は1時間以上かかる距離だったから、こっちに遊びに来ていたときだけ。



「愛の所へ、早く帰ってやれ」



そう言いながら、守は送ってくれたりした。



何もしないで


何も守はあたしに求めては来なかった。






何も知らなかった……


守と知り合って、
3ヶ月が経とうとしていたけど


守の事で知ってる事は、あたしの8歳年上って事と


地元くらい。



今、何処に住んでるとか、彼女が居るのか、とか。



話もしないし、聞いたりもしなかった。



ただ、分かっていたのは
相当の遊び人って事位だった。



鳴り止まない電話が全てを物語っていた




それでも気にならなかった。



ただ、自分の思うようにならない守にどんどん興味を持ち



あたしのゲームは、電源を切ることができなかった。



守も思ったに違いない……


ここまで落ちなかった女は初めてだったんだろう。


彼の中でも、ゲームは始まっていたのだろう……



何気に会う口実を守が作ってきても簡単には乗らなかった


あたしは楽しんでいた。




こんな女を
サイテーな女だと回りは言うのだろう……


こんな女を
遊び人と言うのだろう……



なんて言われようがそれで良かったんだ



バレなければいい……



あたしが良ければそれでいい………。