ただ……



ずっとあたしは泣き続けた。


悔しくて、やり切れなくて……。




そして、隣で運転している男をずっと睨み続けた。





しばらくすると
見慣れてる景色が目に入り車が停まった。




「何をそんなに悲しんでんだよ~!SEXした位で減るもんじゃねぇーだろ」



その言葉を聞いて
あたしはおもいっきり鼻を目掛けて殴った。





もう、真っ直ぐに愛の元へと帰る勇気がなかった。



“頑張ろう”

そう思い続けてずっと頑張ってきた。


幸せになりたい……って。




なのに、やっぱり現実はそんなには甘くない



悪さを犯してきた罪のある奴は

幸せにはなれない――。


どうあがいても、きっと這い上がれないんだ。


あたしはそんな女だから。




胸が苦しくて、ベンチに座りながらも、あの時のように、空を見上げる事が出来なかった。



翼はどうしようもない女だって呆れてるよね??




まだ、肌寒い6月の夜の風にあたりながら、ただ静かに涙を流していた。



これが、あたしの人生――。


これがあたしの運命なんだ。


そう思いながら、1人ただ涙を流していた。




孤独だった……

凄く寂しくて……


苦しくて……


恐くて……


本当は誰かに傍に居て欲しい位……。


孤独に陥っていた。



まだ16歳のあたしは
自分を慰める事が出来ずに……



こんな運命を恨むことでしか自分を支えられなかったんだ。