君の隣で~☆星空☆続編~【完】

とっさに、落ちたフォークを掴み、あたしは雄也の手を刺した。



本気で殺意が芽生えて



殺さなきゃ、殺られる………。



そう思ったが、愛の泣き声で我に返り


雄也が痛がってる隙に寝室に行き愛を抱っこして、そのまま裸足で逃げた。




恐かった……
本当に恐くて、泣いている愛を抱く手に力が入っていた。




雄也はパンツ一丁のまま、あたし達を追いかけてきた。




「てめぇ~~待てこらっ!!!」



寒さの中、雄也が追ってくる恐怖と共に、あたしは震えながら、冷たくなって痛い足で一生懸命走り




道路の方にで通りかかったタクシーに飛び乗った。




タクシーの運転手さんは不思議そうな顔をしながら「大丈夫かい?」そう話し掛けてきた。



「はい……すいません。」


そう言って行き先だけを告げた。


そして、あたしは実家に帰ってきた



お母さんがビックリした様子で迎え入れてくれて


弟の「大丈夫……おねぇちゃん……。」


その一言に溢れ出しそうな涙をグッと堪えた。





それから、あたしは実家に居座り、雄也と別れる決心をした。



お互いが16歳だったあたし達は、まだ籍を入れる事が出来なかったため


愛を認知していただけだった。


だから、別れる時も簡単だった



雄也と、あたしと……
愛のわずかな生活にピリオドを打ったのは



愛が10ヶ月になる前の事だった。