「あんたが翼を殺したのよ!!」




翼のお母さんが、



あたしに言い放った言葉が何度も何度も繰り返される。



まるで、


その言葉以外、あたしの頭の中は受け付けなくなってしまったかのように……



翼の笑顔のない写真たちに、



あたしの涙が零れ落ちていく……。



そのうち、涙で滲んだ写真たちは翼の顔さえもぼやかしていった。




“もう、ここには来ちゃいけないんだ”


“あたしの来る場所じゃない”



そう強く思いながら、涙を拭き、唇を噛み締めると



海を振り返らずに写真を抱え、




あたしは、ひとり海を後にした。