君の隣で～☆星空☆続編～【完】

その時……



波の音と共に、先に口を開いたのは海をただ見つめてるおじさんだった。



「この海が好きでね」



その静かに話すおじさんの声はちゃんと聞いてないと見逃してしまいそうな、



小さな小さな声だった……



あたしは何も言わず、ただ海を見つめていた。



恐かったんだ


大体予想がついていて


おじさんが言う言葉の中に“死 ”と言う、言葉を聞く事が。


凄く恐くて……



あたしは何も言えなかった。



「死んだんだ……」


「……」



分かってたはずなのに、


あたしはおじさんの顔を見ながら耳を塞いでいた。



「娘はね、当時付き合っていた彼氏とこの海で待ち合わせをしていてね」



「……」



「来る途中、車に……跳ねられたんだ」



胸の中にとてつもない痛みが走った……。



同時に娘さんの彼氏の痛みそれはとてつもない物だっただろう……



そう頭に過ぎった。