君の隣で～☆星空☆続編～【完】

どの位ぶりに涙を流しただろう……。


何度もすくい直す水の上にあたしの涙も混ざっていた。



溢れ出てくる涙……



「やっぱり、涙って枯れる事……ないんだね」



この思い出の海で、翼は星になっていた……。



あの日、あたしの手の中の小さな小さなﾋﾞﾝの中から翼はこの海へと消えて行ったんだ。




あの時の光景が鮮明に思い出され、あたしは声を上げて泣いた。




今までずっと、ずぅーっと胸の中に溜めていた物全てを……




あたしは声と涙にした。



すっかり冷たくなった手を息で温めながら、あたしは砂浜に腰を下ろした。


目を潰ると


隣で笑いながら寝転がっている翼の姿が浮かんでくる。


目を潰ると


あの笑顔が鮮明に浮かんでくる。



だけど目を開けると翼のいない現実と、


写真の中の悲しそうな翼の顔が浮かんだ。



あたしは再び目を閉じ、砂浜に寝転がった。



そおーっと目を開けると綺麗な星空があたしを迎えてくれた。




涙が頬に流れて行くのを感じ……



あたしは静かに口を開いた。