君の隣で～☆星空☆続編～【完】

目を潰ると、


静かに聞こえる波の音……


気持ちいいとは言えない


少し冷たい風……。



涙がひたすら流れた。


変わらない海の波の音、


砂浜の感覚


回りの景色


３年も経ってしまったのにあの時と同じような光景だった。



ただ……


変わってしまったのは


翼が隣にいない事と、あたし自身。


あたしはもう１度空を見上げた。



随分と見上げてなかった夜空があたしを吸い込みそうだった。




「翼、ごめんなさい……」



そう言いながら１番綺麗に光り放っていた星を見つめてた。



「もう、逢いにくるな！って言いたいよね？こんな汚れた冷めた人間なんてさ、翼が好きだった頃の流奈いないもんね！」


一生懸命笑いながら話してるつもりなのに


溢れ出すあたしの感情


涙


震える唇……。






忘れかけてた物が翼のいる海で張り裂けた。


「流奈ね………」



そう言うともう、言葉にならなかった。


あたしは顔を自分の服で拭いながら海の方へ近付いたそして両手で水を静かに救った。


『翼、冷たい……。こんなんじゃ寒いよね？温めてあげられなくて、ごめんね」


そう言いながら両手の隙間から零れ落ちていく水を何度も何度も救い直した。