君の隣で~☆星空☆続編~【完】

これから起こる問題なんて大体予想付いていた。



あたしはまだ16歳……


そして、お腹の中に居るのは雄也の子供。


理恵の前では不安な顔を見せなかったが、本当は不安だらけで押し潰されそうだった。


親には隠す事が出来ない、


それともおろす事が出来なくなるまで逃げ続ける?


雄也は?


雄也には話さなくちゃいけない?



あたしの中で、そんな不安と葛藤しながら電車に乗った。



「流奈……」


「何っ~?」



不安を悟られないようにあたしは明るく答えた。


「いなくならないでね、もう1人の体じゃないんだから、いなくならないでね」


サラリーマンの帰宅ラッシュの電車の中でドアの傍に立っていたあたし達



ドアの外に見える景色を見送りながら理恵が呟いてた。


「何言っちゃってんの?」



笑いながら話したあたしに理恵は険しい顔をして睨んだ。




「なに……?」


「1人で育てようだなんて馬鹿な事考えないでね」


“えっ……”



図星だった


理恵には、お見通しだった。


「聞いてんの?」


黙ってるドアの外を眺めてるあたしに、理恵の力強い言葉が電車の中に響き注目を浴びた


「って、声でかいから~」


そうごまかしたが、理恵はあたしの心を鋭い目で突き刺した。




「でもね、理恵……」


そう言うと静かに口を開いた。



「雄也クンは流奈を今度こそ大切にしてくれるから、最近あの人凄く変わったよ?流奈はそろそろ誰かに甘えてよ」


あたしは黙りながらただ流れてく景色だけを見つめていた。



「今まで、あたしの言う事なんて聞いてくれた事なんかないんだからさ、たまには聞いてよ」


そんな悲しげに言う理恵をじっと見つめてた。