「冷たぁ~い!!」
「ちゅめたーい!!」


真っ白い雪の中ではしゃぎ回る2人。



まだ、誰も歩いてない雪の上に小さな足跡がついていく……



「ママ~!?なんで急に雪降ってきたんだろうね~!!」



「……」




“昨日はあんなに、綺麗な星空だったのに、今日は綺麗な雪……”



「なんでだろうね!!良かったね!!」






10年という年月……


長く感じたり、



時には時間が経つことに怯えた日もあった……



「10年………か……」



愛と千夏のはしゃぐ姿を見ながら、静かに降り積もる雪をただ見つめていた。






雨は嫌い……



空が寂しそうに感じるから。



心の中のバケツをひっくり返したように感じる



あたしの封印している心のようだから。




きっと、空の上から降り注ぐ涙のように感じるんだ。



だから、大嫌い!!!





なのに、同じ空から降り注ぐ雪は大好きなんだ……




白い雪のように、汚く汚れた心まで溶かしてくれたら………



そう思える。




「ママ~!!雪だま作ろうよ!!!」



「よぉーっし!!雪集めろぉ―!!!」





少しだけ、心が和むんだ……