――2005年12月30日――



翼がこの世からいなくなって10年がたったこの日。



あたしは時計と睨めっこしながら30日になったと同時に、


翼と出会った……




翼といた思い出の公園で
星空に手を合わした―――



守と愛と千夏には仕事と嘘を付いて、29日の夜、家を出た。




家を出てから1人公園にいた




なくなったジャングルジム



なくなったあの時の水道



それでも、翼と一緒に座っていたベンチだけはたった1つ綺麗に塗り替えられ、そこにちゃんと残ってあった。




「翼?星が綺麗だよ……」



「明日は雪が降るって言ってたのに、なんで星が出てるんだろうね…っ!!」





まるで、翼があたしが見る空だけに





魔法をかけてくれたように綺麗な星空だった―――