「流奈……笑っているんだよ？」




そう、あたしに残した翼の言葉……。


笑う事の意味。


笑顔でいてくれる事の幸せ


それが……


少しだけ、分かった気がしたんだ。






翼が望んでた“笑顔”


その笑顔を今あたしは



愛と千夏に求めているんだ



そして……



愛と千夏の笑顔で、あたしは幸せな気持ちになれるの。



笑顔でいてくれると、

回りにも幸せをわけてあげられるんだね。




小さな幸せかもしれない。


でも、そんな小さな幸せを感じられる人間になりたいって思ったんだ。



翼が求め続けていたものを



あたしが愛と千夏に求めてる。






でも、



心から笑っていて欲しいんだ。



あたしみたいに、機械的のように笑っているんじゃなくて




心から笑い、本当に笑顔の似合う子で居て欲しい……






翼？



翼もそうだったんだよね？


作り笑いの笑顔なんてお見通しだよね？



でもね、人間ね………


あまりにも衝撃な事があるとね、笑いだすんだよ…


あまり、現実を受け止められないような事があると笑いだすんだ……。



そんな笑いがある事、


翼、知らないよね？



きっと、あの頃の流奈もね……




知らなかったよ。