―――――!?


「えっ……?」


あたしの中に飛び込んで来た、



今まで、あんまり無関心だった言葉。



「何それ、どして……」


「だから…………なんだよ」



――借金――



その言葉を知らなかった訳じゃない、


ただ、自分には関係のない話だとそう思いこんでいた。



さすがに、笑う事すらも言葉にさえ出来ない状況だった。



あたしが求めていた“平凡で笑顔の絶えない家庭”



それが、守のたった1つの言葉で簡単に崩れ去って行った。




「……で、いくら?」



「……万くらい」



「そう……」



その会話で、その日のあたし達の会話は終わっていた。




決して……


裕福なんかじゃなかった。


それでも、普通に生活はしてきていた。


あたしが、お金の管理をしていた中で、仕事がきれた時などお金が回らない時はいつも守に相談してた。


「分かった、じゃぁ、下ろしてくるよ」



いつもの守のその言葉に、あたしは疑いを持った事すらなかった。




「大丈夫なの??」


「なんも、心配すんな」


“心配すんな”


そんな守の言葉を疑いもしなかった自分。




守が金融会社に手を出していた事なんて、考えもしなかった