あたしがずっと抱えてた、不安――



その結果が報告された日……



あたしは、喜びの涙を流した――



千夏の再検査の結果は、セーフだったんだ。




あたしは、愛と千夏を抱きしめながら涙を流した。






知らなかったんだ――


暫く、忘れていたのかもしれない。



人って、嬉しすぎても涙が出るんだね……



感動しての涙をあたしはもうどの位流していなかったんだろう。



そんな涙がでる事すら、あたしは忘れていた。



“もう、何も望みません……。ありがとう”



そう、強く心の中で呟き続けていた。



結局、誰にも話さないまま、あたしの不安は安心に代わり、心を撫でなおしていた。





そして、ずっと心配してた



千夏の目………。



3ヶ月を過ぎた頃には、守やあたし、愛を一生懸命追うようになり



「ちゃんと見えてる……」


そう当たり前の事が嬉しくて、あたしは震えながら……



喜びの涙を流した――



そして、この涙を流して以来………



あたしは何年も涙を流さなくなった。





悲しみの涙も、


喜びや、感動の涙も……。




分かっていたよ?


ちょっと、期待しちゃっただけなんだ。




幸せ




そんな言葉など、あたしには似合うはずもない。




違うかな、



神様が簡単に、あたしに与えるはずがないんだよね?




分かってたよ……



そんな事。




笑っていればいいんだ。



そう誓ったはずなのに………



また、少しずつ感情というモノを取り戻していたんだ。





いらないのにね……



そんなの、何度も捨てたはずなのに……。





そう――――



あたしは笑っていればいいんだよね。



翼――――………