千夏の夜泣きはその後も酷く、あたしは眠れる日々を過ごした。


でも、守が抱くとピタっと泣き止む千夏は心から守を必要としていた



守の腕の中で眠りに落ちる千夏をそうっとベッドに降ろす



守が仕事に居ない間はあたしがおんぶや抱っこで、昼間過ごしていた



千夏の寝顔………


幸せそうな顔をしていつも寝ていた。



きっと、お腹に居る時から何かを悟り不安に怯えていたのだろう。



まるで、誰からも祝福されてないような千夏の出産は



小さい千夏の心の中に悲しみと不安だけを残っていたんだ……





そんな千夏が求めたものが守の存在……


家族という温かいものだったんだ




千夏がまた繋いでくれた夫婦というもの。


家族という物を、



あたしと、守はもう1度繋ぎ合わせた……。


そんなあたしに、たった1つ誰にも言えてない衝撃的な現実を抱えていた



誰にも言えなかったんじゃない。




自分でも認めたくなかったから口に出せなかったんだろう




あたしは、守と愛と千夏が眠りに落ちた後、



毎日、1人泣き続けていた。



千夏の幸せな寝顔を見ながら


千夏の頭を撫でながら……




あたしに起こる運命というものに、ただ喪失感だけ残されていた……。




誰にも気付かれないように、あたしは笑っていた。