「すぅ~……」


深呼吸しなければ、、いつ何処でキレてしまうか分からない自分を一生懸命落ち着かせた。




「ねぇ、今日帰るから」


「えっ?帰るってやり直すの?」


「そう……」



「何考えてるのか本当に分からないね!あんた達は、お母さんは愛の事が心配なの!!」


そう大きな声で言うお母さんをおもいっきり睨んだ



「分かってるよ!!」



「勝手にしなさい!その代わりもう二度と喧嘩して戻って来ないでね!!しっかりやりなさい!!」


「ごめんね、お母さん……」



そう言うとお母さんの目から涙が零れた。



お母さんの不安………計り知れなかっただろう。

あたしのせいで、


あたしの行動でみんなを傷付けてる。



何がよくて、何がいけないのか分からず、あたしは寝ている愛と千夏の寝顔を眺めていた。




ピピピピピ………♪♪
ピピピピピ♪♪


「はい」


「今、下に着いたわぁ」


「分かった、でも荷物が沢山あるから上がってきてくれる?」


「ああ」


守からの電話……


そのやり取りを聞いていただろう、お父さんとお母さん。


なんだか、その後姿がとても小さく映り


そして、とても寂しそうに愛と千夏を見つめていた



「ありがとうね、もう戻ってこないように頑張るから」


「頑張れ……。もう戻ってくんなよ」


口数の少ないお父さんが、あたしの目を反らしながら言い……


お母さんの肩は小刻みに震えてた



なんだかんだ言っても、


こんな娘でも……


あたしのお父さんと、お母さん。



あたしも、唇を噛み締めて息を飲んだ



「ありがとう」



その言葉が静かな部屋に響きわたっていた。