一生懸命、最低限の荷物を詰めたあたしは


愛と千夏にコートを着せ、守の前に立った




「ねぇ、起きてんでしょ?」


「……」



「千夏は置いて行けよ」



「えっ??」


「だから、千夏は置いて行け」



「何いってんの?何もできないくせに、ミルクの作り方さえ知らないじゃん!!」



「いいから、置いて行けよその位分かるわ」



「嫌だ!!死んじゃう!!」



「出て行くんだろ?もう2度と帰ってくんな」



「……」



「千夏は置いて行けよ」



「……」



「こんな時間に今日退院した子供連れてく馬鹿いるか」



「なんなの?本当に!!何もしないくせにいきなり父親面かよ!!」


「な…………っ!!!!」



「本当に酷い奴!!!」



「いいから、早く千夏置いて出て行ってくれ」



あたしの中でギャーギャー泣いている千夏を守が取り上げた