君の隣で~☆星空☆続編~【完】

頭が可笑しくなりそうだった


千夏の目は


ウサギのようだった……



目が真っ赤で角膜だけがわずかに黒く見えただけ。



ウサギのような目をしていた。



「あれ?ご飯食べてないのかしら」



布団に潜っていたあたしをトントンと叩く人がいる。



「どうしたの?何処か痛いの?」




布団から顔を出すと、あの年配の看護婦サンがいた。



「どうしたのよ!!!」



大きな声で看護婦サンはあたしを見るなり、驚くような顔をした。



そんなに酷い顔をしているのか……



いっその事、
あたしの人生全てを夢だって思いたい位だった。




「大丈夫…?」



悲しそうな顔をして覗き込む顔にあたしは目を反らした。




「どうしたの……なんでもいいなさい」



あたしは看護婦サンを睨み口を開いた。



「言ったって何も変わらないだろーが」




「そんな事ないわ……」



あたしは一緒になって、悲しそうな顔をする看護婦サンに苛々し始めた



「じゃ何?聞いて同情してくれんの?辛いわねって……それとも大丈夫よ!とか言い出すのかよ!!」



「……」



「ふざけんなよ!!いらねぇーんだよ!!同情なんか……そんな可哀相な目で見んなよ!!」



看護婦サンはびっくりした様子で呆然と立っていた。



やけに静かになった病室の中にもあたしの居場所なんかなかった。