分娩台に上ると慣れた手つきで、あたしの足にベルトを取り付ける。
確か、3年前のあたしは同じ分娩台の上で希望に満ち溢れていた。
痛みも限界だったが
それよりも、これから対面する赤チャンにあたしは喜びしか脳になかった。
3年……
たった3年しか経っていないのに
何かに冷めたような
同じ人間が同じ分娩台に乗ってる姿は誰が見てもきっと別人だっただろう。
「大丈夫よ!!頑張って!!」
分娩台に上って、あたしはどんな気持ちだったのか何も思い出せない…
痛みも苦しみも、
喜びも記憶にないんだ。
思い出せない……
ただ、あたしのせいで
赤チャンを苦しめていたんだ
苦しかったのは
あたしだけじゃなかったんだよね。
どの位いきんだのか、
どの位苦しんだのか分からないけど…
気付いたらただ慌ただしい光景だけが、あたしの回りを過ぎて行ってた。
「小児科の先生をお願いします!!」
迫力のある声と共に、
近くにあった小さいベッドに目をやると
きっと、そこには赤チャンの姿があって……
その回りを沢山の医者が囲んでいた。
あたしはまだ分娩台の上にいるままで、足にはきつくベルトが巻いてあり
あたしの処置など後回しにされていた
ドアの出入りの音と
小さなベッドを取り囲む騒がしい声……
まるで
その状況から逃げるかのように
あたしは抜け殻のように、
天井を見つめ数を数え始めていた。
確か、3年前のあたしは同じ分娩台の上で希望に満ち溢れていた。
痛みも限界だったが
それよりも、これから対面する赤チャンにあたしは喜びしか脳になかった。
3年……
たった3年しか経っていないのに
何かに冷めたような
同じ人間が同じ分娩台に乗ってる姿は誰が見てもきっと別人だっただろう。
「大丈夫よ!!頑張って!!」
分娩台に上って、あたしはどんな気持ちだったのか何も思い出せない…
痛みも苦しみも、
喜びも記憶にないんだ。
思い出せない……
ただ、あたしのせいで
赤チャンを苦しめていたんだ
苦しかったのは
あたしだけじゃなかったんだよね。
どの位いきんだのか、
どの位苦しんだのか分からないけど…
気付いたらただ慌ただしい光景だけが、あたしの回りを過ぎて行ってた。
「小児科の先生をお願いします!!」
迫力のある声と共に、
近くにあった小さいベッドに目をやると
きっと、そこには赤チャンの姿があって……
その回りを沢山の医者が囲んでいた。
あたしはまだ分娩台の上にいるままで、足にはきつくベルトが巻いてあり
あたしの処置など後回しにされていた
ドアの出入りの音と
小さなベッドを取り囲む騒がしい声……
まるで
その状況から逃げるかのように
あたしは抜け殻のように、
天井を見つめ数を数え始めていた。



