君の隣で~☆星空☆続編~【完】

寂しかったんだ


恐かった


辛くて、苦しくて、悲しくて………



強くなんてなかった。



今まで起こった全ての現実を受け止められるほど




あたしは、強くもないし、出来た人間でもない。



逃げたら楽だから


感じないふりをすれば楽だから




だからあたしは、この世界で生き抜くために



全ての現実を受け止めるために……



感情を捨てた―――




もうね……



心から笑えなくたっていい。



もう、どんなに笑っていても



あの時のあたしの笑顔には戻れない


あんな風に純粋な笑顔を見せたあたしはいない。



だから全てを捨てるんだ




何もかも捨てちゃうんだ。



そしたら、これから先どんな事でも受け止められるだろう



また、あたしはこの子と生まれ変わるんだ




新しい自分に―――。




愛を産んだ時、


“自分も生まれ変わろう”



そう素直に思えた。


まだ16歳のガキ


世間からはそう後ろ指を指されて笑われてもいい


それでも、もう一度


この子と生まれ変わるんだ


そう素直に思ってた



今までの腐った自分……


汚れていた自分も……



愛が生まれた事で、綺麗になれた気がしたんだ



でも―――



あたしの踏み入れた世界からは簡単には抜け出せなくて



あたしは、また簡単に感情を捨てた―――



分かってるよ


自分でよく分かってる



そもそも、
もう一度心から笑いたいだなんて



贅沢なんだよね―――