「う~ん、やっぱり間隔がまだバラバラね、どうする?1回家に帰る?それとも朝まで様子見てみる?」



「……」



一瞬、守の事を考えた、あたしがこのまま病院にいたら愛もいないし……



時計を見ると10時半を指していた。



「このままいます」



あたしが出した結果――。



守を試そうと、決めていた。



「じゃぁ、ここじゃなんだから陣痛室に移すわね」



「あ、はい」



あたしは先生に機械を外して貰い診察室を出た。




「あれ……?」



「あっ!旦那サンすぐ戻って来るみたいよ」



そう言われ1人診察室の前に置かれている荷物を持ちあたしは陣痛室へ向かった。



静かな陣痛室―――


でも耳を澄ますと、苦しんでる奥サンの横で優しい言葉をかけている旦那サンの声が聞こえてくる。



「はぁ……」



あたしの口から出たのは、ため息だけだった。



あたしはベッドに腰を下ろし、たまに襲うお腹の痛みと共に腰を摩った



「おう!流奈!!」



「んっ?」



「陣痛はどんな案配?」



「なんだか定期的じゃないみたいだから今日はもしかしたらこのまま生まれない確率のが高いみたい」




「そっか」



「でも、もしかしたら陣痛に繋がるかもしれないって言うから流奈はここに残るけど守はどうする?」



「俺は帰るよ、明日も仕事だしな……早く寝るよ!もし何かあったら連絡くれよ!!」



迷いもないまま、すぐに返事を出した守にあたしは心の中で笑った。



“期待するだけ無駄”



「分かったよ!また電話する」



「頑張れよ!!」



そう言うと少し居座る事もなく守は帰って行った