予定日を3日後に控えたその日。



あたしは愛とお昼すぎから公園にいた。



誰も知らないこの街に守と結婚して来て



愛はもう2歳9ヶ月になってた。



「ママ~!!みてぇ~!!」


砂場に作った山に穴を開けて水を流し混んで喜ぶ愛を見て自然とあたしは笑顔になる。



「上手じゃん~!!すごいすごいっ!!」




季節はもう春を迎えようとしているのに、まだ風は冷たくて愛の手を触ると自分の手まで冷たさがうつった。



「寒いでしょ」



あたしは愛の手をとり、自分の口元に持っていき、ハァ~ハァ~と温めた。




「ママすごいね!あったかぁぁい」



喜ぶ愛の笑顔を見て心が和む。



「ママにもやってやるぅ~」


小さい手であたしの手を取り、小さな口で一生懸命温めようとしてくれてる



「ププッ……!!」



「なぁに?ママ……」



「なんでもないよ!!」



ハァハァ~と温める事がまだ分かってないせいか、



愛は一生懸命フーフーとあたしの手を冷やしてるとも知らずに温めてくれてた。




そんな可愛い気な姿を見て心から愛しいと思えた。