「ママ~!!きれぇ~!!」



生まれて初めてやる花火に愛は腰を引きながらも自分の手に持つ花火に興奮していた。



「ほんとぉ~綺麗だねっ!愛っ!!」





花火が消えた瞬間、



愛は空を見上げてた。




「ママ~!!おしょらにも はなびがあるね♪♪」



“んっ、空に花火?”


あたしは愛の隣に座って空を見上げた。




“空に花火――――”



きっと純粋な子供にしか
例えられない表現なんだろう―――。



空には沢山の星が輝いていた。




あたしは自然に笑顔が零れて愛の頭を撫でた。



「本当だねっ!!お空にも花火があるね」



目を輝かせて空を見上げる愛に心が折れた――――



「愛?お空の花火にはね、お名前がついているんだよ!!」



「なまえ?」



「そうだよ!!お空の花火の名前は星って言うんだよ!!」



「ほし……」



「そう!星っ!!」



目を輝かせて空を見上げてる愛にあたしは心の中で翼に話しかけた。




“翼……見守っていてね”






翼と見たあの日の星空を


今は自分の子供と見上げて居る…………



時間は過ぎ去って行ってるのに……




まだ、あたしは何処かで
立ち止まったままだった




“不思議だね、思い出って色褪せる事がないんだ”



「愛っ!!そろそろパパ帰って来るから行こうっ!」


「うん!!」



あたしは愛としっかり手を繋ぎ家へと向かった。



“明日は検査の結果――”


気持ちを押し殺し、
あたしは愛を抱き上げたーー