君の隣で~☆星空☆続編~【完】

“なに……それ”


そう思いながら重い腰を上げると、玄関の方がやたら騒がしくなっていた。




「おい!見つかったか?」



バタバタと部屋の中がいっせいに騒がしくなり、色々な奴の声が聞こえた。




「これだけですね、いないですわ……」



守の声が聞こえたが
あたしは状況を掴めずにいた



「分かった、今日の所はわりぃ~な、また連絡させて貰うわ………」




そう言うと騒がしい部屋が急に静かになり、守の大きなため息だけが聞こえた。



あたしはドアをそっと開けて守に近寄った。



「守…………?」


「…………。」



守は頭を抱え下を向いてた


あたしの声など聞こえてなんかいなかった



「守………っ!!!」


あたしの大きな声にようやく反応して顔を上げた




「やられたわ…………」



「翔サンに?」



その言葉を出すと同時に
守はびっくりした表情であたしを見た



「なんで、流奈……知ってんの」



あたしはただ首を振り続けた



「翔サンに裏切られたわぁ……俺」


「そう」



「びっくりしねぇか?」


「……」




「俺、金も貸してた、その他にも、お前に話せねぇような事、沢山してきた」




「うん」



「なのに、翔サンは……」





あたしは守の話しをただひたすら聞いていた。




「ねぇ?守……」



「なんだ」




「人はね、裏切るもんなんだよ」



「……っ!!流、奈……」



あたしはどんな顔をして
話していたんだろう。



守があたしの顔を血相変えて見つめてた




そう―――。
“人は裏切るもんなんだ…”



そう心の中で呟き続けてた。