「千夏にー・・・?」

目を真ん丸にさせて、私の手当てをしてる海。

「私が悪いんだ。約束のこと黙ってたから。」

ああ。どうしよう、涙が出そう。

「大丈夫だ。お前は悪くねーよ。」

「だって。親友だもん。言わなきゃいけなかったのに。」

「そんなことねーよ。」

私の頭をポンポンと軽く触ると。

「俺との約束。黙ってくれて、ありがとうな。」

「・・・・。」

しばらく沈黙が続いたが、海は口をひらき。

「俺もお前との約束。言いふらしてなんかねーよ。空は信頼してるからちょっと言ってみたんだ。嬉しくて。多分そん時に千夏聞いたんだろう。俺が悪いんだ。ごめんな・・・」

そんな悲しい顔しないでよ。
泣いちゃうよ。

海は悪くない。
悪くないよ。

「お前が俺との約束、黙っていてくれてマジ嬉しい。」

「海・・・」

いつもは馬鹿馬鹿言ってふざけ合ってるのに、私たちがマジで話し合うのはこれが初めてかもしれない。

「ごめんな。大会前なのにこんな傷付けてしまって。」

「海は悪くないって。千夏も。私の不注意だよ。」

大丈夫か?と真剣に聞いてくる海に、私は笑う。

「なんだ!?何が面白い!?」

「ううん。何でもない。」