「はい!!」

パシッ

「あっ・・・」

しぜんに声が出た。
初めて上手く行ったバトンパス。

「利歩!?うまっ!!」

かけよってくる千夏。
笑顔が溢れる。

「できた・・・!?」

「うん!すごく上手!!」

嬉しい気持ちが募る。
成功した。
トラウマこくふく!

「すごいねー。さすが2人」

先輩が笑顔で手を振り語る。

「あっ、ありがとうございます!」

「すごいね。これで本番も落ち着いて行けたら完璧よね。」

「ですよね・・・私が足を引っ張らなきゃいいんですけど。運動会見たいに」

「え?運動会?」

「あっ。いいえ!!何でも無いです」

ああ。口がゆるむ。
でも、もう海にトラウマの話をしても、こくふくできたのだからいいだろう。

でも。
私と同じ小学校だから、見ていたはずだろう・・・。

海が思い出したら大爆笑するだろう。

「しかし2人のバトンパスは違うわね。」

「え!」

何か間違えたのだろうか。