線香花火がポトリと乾いた砂の上に落ちた。 「あ・・・私、花火とって来るね」 立とうとしたとき腕をつかまれた。 「花火はいいから・・・返事を聞かせて」 胸が痛い。 でも、さっきみたいな鈍い痛みじゃなくて・・・鼓動が早くなって、苦しい。 「私・・・悠貴と小野さんが付き合うことになったときすごく辛かった」 「・・・ごめん」