「もーさ、恥ずかしいってば!!」

帰り道。
私の片手には、唯人のぬくもりがあった。

唯人の手はやっぱり、大きくてあったかいね。

「…照れてんの?」

「照れてない!」

「じゃぁいいじゃん」

「…照れてるよ!もー、なんでみんなにギャオゥとか言わせんの!?」

「言わせてないよ、みんなが言ってんだよ。」

「それでもあんな堂々としないでよ~…」

「ダメなの?」

「ダメ…恥ずかしいから…。」


「……だってさ………!」




その時。


グイっと塀に押しつけられて、強引ぎみにキスをされた。



たった一瞬の出来事だけど…。




「ななななな、なな!?」


「皆に言っとかないと、紗緒が狙われるかもしれないだろ?そんなになったら俺…許せねェから。」


「…ほ、ほわぁ…。」

そそそそそ、それは…。
それほどに…好き…とか…、想像しても…よよよ、よろしくて…。


「………!!!!!」

自分が恥ッッずかしい事を言ったのに気づいたのか、唯人は顔を真っ赤にして歩きだした。

手がひっぱられて私もグイっと歩きだす。




…夕焼けに輝く唯人の照れ顔は、可愛くて、キレイだった。