「紗緒ーーーーーッッッ!!!」


校門を出る頃、


聞き覚えのある声がした。





「杏ーーーーー!!!!」



「紗緒ぉぉぉーーー!!!その手は、その手はぁー!!!」




杏は近づくなり繋いだ手を見て、若干震えてた。




「あ、えっと」



「俺と紗緒。今日から付き合い始めたから。手ぇ出すなよ、石垣。」



「えー!なになに、高梨ってこんなにオラオラキャラなの!?」


「うっせ!」



「んじゃ…紗緒ぉっ!おめでと!」


「うん、ありがとう!杏!」



「じゃまた今度、お祝いパーティーでもするか!!んじゃね!!」


「え!杏っ、一緒に!」


「だぁめ。彼と一緒に帰んなさい!」



「ええええ!」



「何紗緒、俺とじゃダメ?」


「だだだだ、ダメじゃないよ!」





「ふふっ、紗緒可愛い♪」



杏はそう言って、笑って去っていった。