「髪型、可愛くしてあげようか?」
すちゃっ、とクシとゴム、ピンを用意するめいちゃん。

にこにこと、見守る花音。
ハァハァと、興奮している梨乃。
優しく、にこやかな美由。
静かな視線で、何気に身守ってくれるかなやん。

そして杏。



皆がいるから、頑張れる。


「ううん…このままで、大丈夫。」

「でも…。」

「いつもの私じゃなくちゃ、不公平だもん。今日特別にかわいくてオッケーもらえても、いつもの私を好きになってもらわなくちゃ…意味がないでしょ?それに私は…惹かれてほしいんじゃない。伝えたいの、想いを。」


「…うん、頑張ってね、サオ。」


めいちゃんが、にこっと笑って頭をなでてくれる。




「頑張ってね、さおちゃん。」

「ファイトだよっ、さーちゃん!」

「サーちゃん、頑張れ。」

「フられた時は泣き所になってあげるから。」

「ちょっ、佳苗!!」

「め、めいちゃん!!いいの、ありがとうかなやん。」




私には、みんながいるから。

みんながいるから、頑張れる。