「…なんか用かな、桜木さん。」

彼女は走ってきたのか
ハァハァと息切れして
綺麗な髪の毛が少し乱れて
そんな所も可愛いと思わせる。

実は何だ
無意識な小悪魔とかそんなんか。


ていうか、
「あ、汗ビショビショだけど…。」

学校からまだそんなに離れてない。
例えば教室…桜木さんのクラス、1-Cからだと考えても汗かくほどにはならないんじゃ…。

「きょッ、今日、暑いから…イタッ」

彼女がなんか、苦しそうな表情をしたのでどこか痛いのかと思い探していたら

「ヒ、膝!血ィ出てるよ!!」
「さ、さっきコケちゃったんです!大丈夫です!!だからッ…」

彼女はずいっと真剣なまなざしを向けてくる。



「あたしの話ッ、聞いて?」



…何その自然な上目遣い。
君、小柄だからね。


「わ、分かった。」

そう答えるしかないじゃないか。