キーンコーンカーンコーン…

一時間目の数学が終わる。

教科書やその他もろもろを机にしまって、大好きなシリーズの文庫本を読む。

だけど…。

なんだかいつもより視線を感じる気がする。

女子グループが、ちらりちらりとこっちを見る。


なんだろ?私なにかしたかな…?

あ!もしかして、今日の遅刻…。

調子乗ってるって思われちゃった!?

急に髪型なんか変えたり、昨日は唯人君に近づいたり、…うわぁ、どうしよう!

私、調子乗っちゃった…。

どうしようっ、どうしよう!!

いじめられちゃうのかな?

どうしよう…。


『本気だったら俺の前でも誰の前でもメロンパン食ってやるって言えよな。本気でもねェやつにメロンパンなんて手に入れられるか。俺がんなことゆるさねェ!メロンパンに失礼だろうが!!!』


昨日の唯人君の言葉を思い出す。

そうか。そうだね。

うんっ。別に悪いことしてないし(いや遅刻は悪いことだけど)、堂々としてればいいんだよね。

唯人君に近づいたことで怯えるなんて、唯人君に失礼だもんね。

うん、大丈夫!


本を読むのを再開した、ところでチャイムが鳴る。



早く昼休みが来ないかな~。