俺は一人で勝手に怯えてる圭吾を無視して席を立ち、まりあの元に向かった。
「え…?は?殴んねぇの!?」
殴られたいのかよ、あいつは。
「まりあ、どうした?」
扉に隠れるようにしていたまりあを呼ぶと、まりあはパァっと笑顔になった。
…やっぱ犬だな、こいつ。
「あ、家出るとき、花音ちゃんが今日朔弥くんと出かけるからって」
あれ、今日水曜日じゃねぇよな。
なんか記念日だったか?
「でね、燈弥」
「なに?」
「今日も家に行ってもいい?」
なんでそんな遠慮気味に言うんだ?
「いいだろ。断る理由もねぇよ」
「やったー!じゃあ、放課後一緒に帰ろー」
「ん。まりあ、放課後教室で待ってろよ。迎えに行く」
「分かった!また放課後ね!」



