「ふ、ふぇ…っ…」




涙が溢れて止まらなかった。



想いが心の底から溢れ出てきて。





「うえー、ん……」


「ははっ、泣きすぎ」


「だってぇ……ひく……」




困ったように笑いながら、私を抱きしめてくれる燈弥の胸に顔を埋めた。





「…俺をずっと想ってくれてて、ありがとな」



「えっく……」



「諦めないでいてくれてありがとう、まりあ」



「うぅー……」





ねえ、神様。



やっと…。

やっと、届いたよ。




大好きな人に私の気持ち、ちゃんと届いたよ。




だからどうか、これは夢だなんて言わないでね。



私、もう離れたくない。



燈弥の側にいて、離れないから。





「まりあ」





燈弥の指が、私の涙を優しく拭う。




ゆっくりと近づく距離は、やがてゼロになった。




唇から伝わってくる、大好きな人の温かさ。




私は今日、大好きな人の好きな人になれたんだ。