「ほら、早く行くぞ」 口を開けたまま呆然としているまりあより、先に車から降りた。 体を伸ばして解した時、まりあが車から降りてきた。 「ごめんね、疲れさせた…よね?」 申し訳なさそうに俯くまりあの頭を撫でた。 「気にすんなよ。迷惑とか思ってねぇから」 途端に、まりあの顔がパァっと笑顔になった。 「ありがとう」 「どういたしまして」 そして二人で、親達が待つホテルの中へと入って行った。