「ここなら人もいないしゆっくりできるな」 「うん!」 他の人が数人いるだけで、屋台のある道よりすごくゆっくりできる場所だった。 「燈弥も食べる?かき氷」 「いいよ、全部食べな」 くしゃっと頭を撫でられる。 その瞬間キュンっとなる胸の音。 あーもう、何でこんなに優しくてカッコイイのかな。 でも、私だけに優しい訳じゃない。 燈弥は誰にでも優しい。 そんな燈弥が好きなはずなのに、私にだけ優しくして欲しいという醜い欲望。 彼女でもないのに、図々しく願ってしまう。