「燈弥、かき氷食べたい!」
「また食うのかよ」
だってお祭りだもん。
たくさん美味しそうなものがあるから食べたくなるんだよね。
「どれがいいんだ?」
「いちごミルク!」
列に並んでいると、どこからか女の子達の会話が聞こえてきた。
「見てみて!あの人カッコイイ!」
カッコイイ?
声がした方に視線をやると、二人組の女の子達の姿。
その子達の目線は、私の隣にいる燈弥に向いていた。
そりゃ見るよね。
だって本当にカッコイイもん。
燈弥は女の子達に気づいていないのか、ずっと携帯を操作している。
横顔もすっごくカッコイイ。
なんて、私ってホント燈弥しか見えてないよねって、自分でも思う。



