家に帰っても、昼間のことで頭がいっぱいだった。




家っていっても、燈弥の家なんだけど。





燈弥はまだ帰ってこない。




あの人と会ってるのかな……。





昼間のことがあったから、どうしても悪い方に考えてしまう。





可愛らしい人だったな……。




ショートボブの髪型で、少し小さめの身長だった。





あの滅多に笑わない燈弥が、あの人には笑ってた。





ヤダ。


ヤダよ。





涙がジワリと滲み出した時、ガチャっと玄関のドアが開く音がした。




や、やばっ。

燈弥が帰ってきたのかも。





そう思って急いで涙を拭う。