「次の授業なんだっけ?」

「現国ー」

「げぇっ!鬼沢の授業かよー」



鬼沢は寝ている生徒に教科書の文を読ませ続け、挙句に授業後に説教という鬼教師だ。



この暑さの中で体育をした後に鬼沢の授業というのは、正直言ってかなりキツイ。



体育が終わって教室に戻ると、まりあが教室のドアの前に立っていた。



何してんだ?あいつ……。



「まりあ」



俺の声に振り向いたまりあは、一瞬にしてパァっと笑顔になった。



……犬か、あいつは。