「こんくらいで泣くとか、オマエ弱すぎじゃね?」



「弱くて結構!ほんとに痛かったんですっ!!」



「はいはい。じゃあケツ見せてみろよ」



「は?…いやいや、ケツとかほんとやめてください。ほんと、セクハラ発言マジやめてください。訴えますよ。ってか、」



「ん?」



突然、ピタリと立ち止まり龍樹の視線を辿れば、そこには通いなれた一軒のコンビニ。



「少しだけ、寄ってもいいですか?」



「コンビニに?」



「はい」



ニッコリと頷く龍樹目の前に一瞬ポカンとしてしまったが、コンビニぐらいアタシに訊かなくても勝手に行けばいいと思う。



「いや、コンビニぐらい別に…」



「じゃあ、行きましょうか」



「あぁ…」



ウキウキと何故か楽しそうにしながら、どさくさに紛れてアタシの手を握ろうとする龍樹の手を、もちろんペシッと叩き落としたらアタシは、何事もなかったかのように鼻唄を歌う龍樹をキッと睨み付けながらコンビニへと向かった。