「いらねーの?」 「えっ?」 「いや、取りにこねぇからいらねーのかなーと思って」 「そんなこと言ってないじゃないですか。返して下さい!」 わたしが先生の前に手をだすと 先生はにっと何か企みを思いついたとでも言いたいような笑みを浮かべた。 な、なに…? 「じゃあさ、俺から奪えたら返してやるよ」 「は、はい!?」 「よーい、ドン」 先生はかけ声とともにダッシュして 生徒会室を飛び出した。