「あんたっ!サリアちゃんになんてことするのよ!」


取り巻きのひとりが
わたしに向かって
怒りをぶつけてきた。



わたしはなんと思わないから
ありのままの態度をとる。


こういう面倒なのは
無視、無視っと。
 

わたしは床に散らばった花を
拾い集めて花瓶へ入れ直す。



そして


「わたし、いらないから。
久遠さんのほうがこの花、
お似合いだと思うけど」



冷めた声で言い放つと
久遠さん席に花瓶を置いた。




教室の空気が氷河のように
ピキッと凍りついたのが
肌に感じられた。



別にそれでも構わない。



唖然とする久遠さんと
その取り巻きを尻目に
わたしは教室をあとにした。