わたしはその集団を
冷ややかな目で見つめる。


まるで蟻が甘いものに
群がっているようだ。



キモチワルイ。




だけどクラスのみんなは
久遠さんに逆らわない。



というより、
逆らえない。



集団によくある
"空気"というやつの所為だ。 


目に見えない鎖に
みんながんじがらめにされている。


多分、わたしを嫌いだという
雰囲気を出さなければいけない空気が
このクラスには充満していて


催眠ガスみたいに、
みんなの脳を蝕んでいる。




その証拠にみんな
わたしを無視するだけで
直接何かをしてきたりは
しない。



直接何かをするのは
久遠さんとその取り巻きだけ。