わたしなんて……
先生の隣にいるような
人間じゃない。
それでも…
先生が誰かだけのものになるなんて
耐えられない。
だけど、綾花は唯一の友達。
断ってしまったら離れていくかもしれない。
せっかくできた友達。
綾花は、大事な親友だから────
『花村さん、ずっとひとりだね。友達は?』
『────いないよ』
『寂しくないの?』
『もう、慣れたから』
『そんなんじゃ学校楽しくないでしょ?あたしと友達になろっ!』
『……わたし、一緒にいてもつまらないよ?』
『そんなのあたしが決めるの!今日の放課後、買い物いこ!決まりね!』
始業式の日。
1人で読書をしていたわたしに
いきなり声をかけてきた綾花。
ちょっと強引だなって思った。
けれど、人間関係に消極的なわたしと
強引なくらいに積極的な綾花は
なぜか気があった。
お互いの足りないところを
補い合えるような
そんな友達だった。

