すると、今のわたしを
一気に目覚めさせる言葉が
綾花の口から放たれた。



「あたし、先生と付き合いたいなぁ~」



えっ……付き合う?



わたしは今まで考えてもいなかったことを綾花は軽々と口にした。



わたしが先生を好きになって
このとき1年が経っていた。


片思いをはじめて1年。
付き合うなんて夢のまた夢のような
それこそ現実味の無い話だと
思っていた。


生徒と先生なんて、叶うはずもない。


諦めもあったと思う。
それに、現状に満足もしていた。


遠くもない
近くもない

生ぬるい中途半端な今が心地よかった。