これでもかってくらい目を見開いた。


女の子はすごく痩せていて、今風がふいたらそのまま真っ逆さまに落下しそうだ。


女の子は俺に気付いたらしく、フェンスからおりた。


俺はホッとして胸をなでおろす。


女の子は左手首につけた男物の腕時計をいじりながら、言った。


「なんかよう??」

女の子のつけている腕時計は、とても大きく、かろうじてひっかかっているようだ。


俺はエアメールを差し出して言った。


「これ君の?下歩いてたら落ちてきたんだけど」


女の子は少し首をかしげた。


あれ?


もしかして、俺の勘違い!?

そうなら、すげぇー恥ずかしい!!




「そんなのそこら辺に捨てとけばよかったのに」



女の子は少し可笑しそうに言った。


この反応を見る限り俺の勘違いではなかったらしい。


なんだよ…。

いらない心配させるなよ。


俺はエアメールを女の子に押し付けて言った。


「こんなの個人情報だだもれじゃん。誰かに拾われて悪用されたら困るだろ?」



女の子の表情が一瞬固まった。

なんというか、とても複雑な顔つきになった。


女の子は何を考えたのか俺の渡したエアメールをもう一度紙飛行機にすると、そのまま勢いよく飛ばした。