紙飛行機の本当の正体は手紙だった。


しかもエアメール。


こんな個人情報だだもれの手紙を、飛ばすなんて…。


きっと俺の目が正しかったらこの手紙は屋上にいた女の子のだ。



俺は勢いよく病院に駆け込むと、両親に顔も見せずに、階段を駆け上った。



三階まで上がったところで、息が荒くなった。


くっそ……体力落ちたな…。


この病院は5階建てだ。


まだまだ屋上までは遠い。



やっぱり、エレベーターにすればよかった。



俺は屋上につづくドアに前まで来たときには、もうヘトヘトだった。



肩で息をする。


もうしばらく動きたくなかったけど、このエアメールを女の子に渡さなくちゃいけなかった。


俺は悲鳴をあげる体を無理やり動かし、ドアを勢いよく開けた。


俺の視界に飛び込んで来たのは、フェンスの上を器用に歩く女の子だ。