外に出ると真夏の日光が容赦無く俺を上から照らす。


「あっつ……」


俺はそうつぶやきながら、足を速める。




俺の両親が営業している病院はここから徒歩5分。


一人息子の俺が医者になることは昔から決まっていて、大学を卒業したら親の病院に就職する。


人が聞いたら羨ましがる人生だ。


でも俺はちっとも、こんな人生よくなんかない。


……少し訂正。


医者の勉強は楽しいから、医者になれることは嬉しい。


だがつまらないんだ。


毎日毎日、医者の勉強して、講義がない日は病院に顔をだして。



毎日同じことのローテーション。



つまらなさすぎる。

いっそ俺になにもなければ、もっと自由に楽に生きれたかもしれない。