ソラは笑ったまま言った。


「零也くんってツンデレだよね」


「は!?」


俺はバッと後ろに退いた。


顔を真っ赤にして口を開けてる俺を楽しそうに見つめるソラ。


な、な、何言ってんだ!?


ツンデレなんて生まれて初めて言われた。


ていうか俺はツンデレじゃねーー!!


俺はジロッとソラを睨みながら言った。


「うるせぇー…。俺はツンデレじゃない」


ソラは珍しく豪快に笑うと言った。


「そーいうことにしたげる〜!」


むっかつくなぁ!!


俺はブスッとした顔でプイッと横を向いた。


そんな俺の頬をツンツンッとつつきながらソラは言った。


「零也くんごめんごめん。ほら機嫌直してぇ?」


子供扱いされるのに若干イラつきを覚えながらも無視する。


ソラはうーーんっと唸ってから言った。


「そーだ!零也くんのいいことを聞いてあげたお礼に、私のいいことも聞いてよ!」


ソラはゴソゴソっと小さな箱を取り出した。


俺はチラッと横目で見る。


まだ聞くって言ってないんだけど。


ソラは意味あり気に微笑むと箱を開けて言った。


「今日は美味しく焼けたの。味見しない?」