((ドンッ



廊下の曲り角で誰かとぶつかった



「いったぁ」


尻餅をついて汚れたスカートをはらいながら立つ



「ごめ・・、菜乃」


それが菜乃だとわかると


私と歩いていた、舞依と悠里の顔が曇る



「ちょっと邪魔じゃん?」


「ぶつかっといて謝りなよ」


「てゆーか、端っこ歩けよ」


あのことがあってから


菜乃は一軍グループからハブられるようになった





私は元々一軍女子にいるので



菜乃のことをハブく形になっている



「双葉に謝りなって」


舞依がそう言っても



菜乃は俯いたまんまだった



「ちょっと来な」


引っ張って女子トイレまでいく



「謝れよ!」


悠里が菜乃の袖を引っ張って転ばせる



「ご・・めんなさ・・い」



すごく小さな声で呟く菜乃



「はぁ、聞こえなーい?」



「双葉ー、今の聞こえた?」



「う・・・うん」


ずっと大好きだった親友だから



こんなんことするのは正直キツい





それから菜乃と仲良くする女子は



いなくなった



「双葉ー?帰ろ」


「今、行くー」


だんだん1軍女子と帰るようになって




葉くんや健人君とはちょくちょく話すけど


澪斗とは全く話さない




「双葉、ちょっといい?」



「澪・・斗うん、舞衣、悠里、玄関で待ってて」



「うん、早く来てね、今日クレープ行くんでしょ?」


舞衣と悠里はそう言って玄関に向かった




「それで、何?」



「お前、最近・・菜乃ちゃんの事いじめてるって」


「あぁ・・うんホントだよ?」



「なんでそんな事?お前ら仲良かったじゃん」



「はぁ、やっぱ何にも分かってない、」



「分かるって、俺はただ菜乃ちゃんを・・」


「守ろうとしただけ?いいよねぇ菜乃は」


「いつも澪斗にかばってもらえるんだもん」


「澪斗だって菜乃の事たっくさんわかってるみたいで」


「そんなこと・・・」



「まぁ澪斗は初めっから私の事なんて」


「分かろうとしてなかった」



そう言葉を吐き捨てて



玄関に行った



「行こ」



こんな自分ダメだって分かってる



でも、もう我慢できない



「明日から、クラス全員で無視しよっか」



「うん」


「オッケ♪」


もうあの頃には戻れない



あの頃の親友だった


あの二人には


〈この写真を削除しますか?〉

pi


〈削除しました〉